10月
懐かしいという気持ちがわからない。
昨日スピッツのアルバムを聴いていて気がついた。
スピッツは中学生のときからずっと聴いている。
だから青春をともにした音楽と言っていい。
けれどそこに別に懐かしさは感じなくて、
いつ聴いても発見があるし新しいなって思う。
そして青春という言葉もよくわからない。
自分にそんなものがあったとは感じない。
昔話をしてても、それはただの昔の話で、懐かしいという感慨に浸ることもない。
会話を無理なく進めるために「懐かしいな」って言うこともあるけど芯からそう感じているかというと疑問で、自分が使うと誠実さに欠く言葉だなと思う。
過去はもはや今の自分から切断されたものに思える。漠然と遠景を眺める心地。
陽炎の向こうに戻りたいとはとくに思わない。